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CV率(CVR)の改善:段階別進め方

CV率(CVR)とはWebサイトに訪れたユーザーがサイト内で商品の購入や、資料の請求などをする確率です。そのためCV率はWebサイトにおいて重要な成果指標となります。改善を行うことでよりWebサイトで成果を出すことが可能です。

この記事ではそのCV率の改善方法を段階別に解説いたします。

業界別のCV率の平均については以下記事をご参照ください。
CV率(CVR)とはなにか?業界別平均と低くなる要因

自分のサイトの段階を知ろう

自身のサイトの段階を知ることは、CV率を上げるための大きな手がかりとなります。
サイトの段階と記載していますが、大前提の事業についての確認もあるので、自社の事業を一度見つめ直す良い機会にもなるかと思います。

段階1:ターゲットが不明確


事業やサービスが誰をターゲットにしたものなのか、明確な人物像を答えられますでしょうか?
答えられない場合、この段階1に該当します。

明確な人物像がない場合、まずは明確な人物像を出せるようにしましょう。
特に、課題解決型のサービスを展開するBtoBの事業では、誰のどんな課題を解決するべきなのかが明確でない場合、市場にユーザーがいない可能性があります。そのような場合には、一度市場にユーザーがいるのかきちんと確認することが大切です。いない場合、そこにどれだけ投資を続けてもサイトの成長は見込めません。

段階2:アクセスが確保できていない


事業やサービスのユーザー像が明確にあるけれど、アクセスを確保できていない場合、この段階2に該当します。
ユーザーがいるがアクセスを確保できていない場合には、まだ市場において認知がされていなかったり、コンテンツが少なかったりする可能性があります。アクセスを確保しない事にはCVが発生する事も見込めないためアクセス数を確保するための施策を打ちましょう。

段階3:ページの役割が決まっていない


アクセス数は確保できているのに、CVの数が増えない場合、この段階3に該当します。
ユーザーがアクセスしたページの役割が、ユーザーにどのような事をしてほしいページなのかが明確でない場合、アクセス数が増えてもCVしてもらえる可能性は低くなります。

段階4:コンテンツが見られていない


ページの役割は決まっているけれど、実際のコンテンツを見られていない場合、この段階4に該当します。
役割が決まっていても、視認性、可読性が悪かったり、ユーザーが検索して流入した意図とコンテンツの内容があっていなかったりすると、コンテンツを読んでもらえず、CVせずに離脱してしまいます。

段階5:入力フォームまでたどりついているがCVするユーザーが少ない


コンテンツを見てもらいお問い合わせのフォームまでたどり着いているがCVするユーザーが少ない場合この段階5に該当します。
入力フォームはユーザーにとって1つの大きなハードルです。ここまでくれば、CVまではあと少し

段階6:CVをある程度確保できていてもっとCV率を上げたい

CV数をある程度確保できている場合は、この段階6に該当します。
よりCV率を高めるためにサイトの細部を徹底的に最適化する必要があります。この段階では、大幅な改善施策ではなく、既存の仕組みをさらに磨き上げるアプローチが重要です。

段階別改善のすすめ方

現在のサイトの状態を確認したうえで、各段階別に改善のすすめ方を解説します。
現状のサイトの課題を解決できればどのような手段でもいいです。
ですので、是非以下は問題解決の糸口としてご利用ください。

段階1:ターゲットを明確化

市場に需要があるか、ターゲット層が明確かを確認しましょう。具体的には、自社の商品やサービスが解決する課題を特定し、その課題を持つ顧客像(ペルソナ)を具体化します。年齢、性別、職業、興味関心などの属性を分析し、ターゲットがどのようなメディアやチャネルを利用しているかを把握することが重要です。ここで重要なのは、都合のいい架空のペルソナでなく、実際のユーザーと想定する人物にインタビューし、具体化させる事です。また、競合分析を行い、自社が差別化できるポイント(独自の価値提案:USP)を明確にすることで、より効果的なマーケティング施策が可能になります。

段階2:アクセスの確保

ターゲットを明確化したら、次にアクセスを増やす施策を実施します。広告(リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など)とSEOを組み合わせて、多角的に集客を図りましょう。SEOでは、ターゲットが検索する具体的なキーワードを選定し、それに基づいた記事やランディングページを作成します。一方、広告では、ターゲットの興味関心に合ったクリエイティブやメッセージを用意することが重要です。アクセスはCVを生み出す基盤であるため、継続的な施策と改善が必要です。

SNSの活用も有効です。定期的な投稿やフォロワーとのエンゲージメントを通じてブランドの認知度を高めることが大切です。特に、InstagramやTwitter(X)では、視覚的に訴求力のある画像や動画、キャンペーン情報を投稿することでアクセスを促進できます。SNS上でのユーザーの口コミやシェアも大きな影響を持つため、ユーザー参加型のキャンペーンを実施するのも有効です。

段階3:ページの役割を整理

アクセスを確保したら、各ページの役割を整理し、CVまでの導線を明確にします。特に、ユーザーの検索意図に応じてページを「Knowクエリ(情報収集段階)」と「Doクエリ(購入や行動段階)」に分け、それぞれに適したコンテンツやCTAを配置します。たとえば、Knowクエリ向けには詳しい解説やガイドをつけ具体的なDoクエリのページへ誘導したり、Doクエリ向けには購入や問い合わせを促す具体的なボタンやフォームを設置したりします。各ページ間の動線を整え、スムーズな流れで最終的なコンバージョンへ誘導できるシナリオを設計しましょう。

段階4:コンテンツの改良

ページの役割が整理できたら、コンテンツの質を向上させます。ユーザーが見ているコンテンツをヒートマップなどのユーザー行動分析ツールを利用して確認し、ユーザーが求めている情報を的確に伝えると同時に、視覚的な要素(画像や動画)を活用して興味を引きつけましょう。具体的には、商品のメリットや事例を分かりやすく伝えるためのキャッチコピー、詳細な説明、FAQの追加が効果的です。また、ABテストを活用して、コンテンツやレイアウトの効果を検証しながら最適な形式を探ります。このプロセスを繰り返し、データに基づいて改善を続けることが重要です。

段階5:入力フォームの最適化

フォームの長さや入力項目が、CVを妨げる原因になっている可能性があります。EFOツールなどを利用し、ユーザーが入力フォームのどこで負担を感じているのか、現状のフォームの課題を把握しましょう。ユーザーの負担を軽減することで、使いやすさを向上させましょう。たとえば、不要な情報の入力を削減したり、プログレスバーを導入して完了までのステップを明示したりするのが効果的です。また、モバイル端末での操作性も確認し、簡単に入力できるデザインを心がけます。必要に応じて、フォームのデザインや入力プロセスを変更し、最適な形に仕上げていきます。

また、CVのハードルが高い可能性があります。特に無形商材で費用が高いものについては、ユーザーはCVするのにより慎重になります。このような場合、いきなり面談の予約を入れてもらうよりも、資料請求をCVとしたほうがCV数を獲得できる可能性があります。

資料請求を第一のCVポイントとして設定することで、ユーザーに心理的な負担を軽減できます。さらに、請求された資料は、商品の価値やベネフィットを丁寧に伝える内容に仕上げ、信頼感を高める役割を果たします。その際、PDFやパンフレットだけでなく、動画やウェビナーへの案内もセットで提供することで、より深い理解を促進できます。

資料請求で得たユーザーのリストを活用し、後続のアプローチとしてメールや電話を通じたフォローアップの仕組みを構築しましょう。例えば、資料請求から一定期間後に「資料はご覧いただけましたか?」といったリマインドメールを送る、資料内容に基づいた補足情報を定期配信するなど、段階的に信頼関係を構築することが重要です。さらに、メール内で特別なオファーや無料相談への誘導を行うと、面談予約や最終的な契約につなげやすくなります。

このアプローチにより、CV数を増やしつつ、見込み客の質を高めることが期待できます。

段階6:ユーザー体験の向上

CV数をある程度確保できているサイトでは、細部の改善によりCV率をさらに高めるフェーズに入ります。ページの表示速度を向上させることで、離脱率を抑えます。加えて、顧客の信頼感を高めるために、事例やレビューを積極的に発信し、安心感を与えます。また、ABテストを繰り返し実施し、CTAボタンの文言やデザイン、ページレイアウトの細かな部分まで最適化を図ります。リピーターや特定のユーザー層向けにパーソナライズされたコンテンツを提供することも有効です。

CV率改善に役立つツール

CV率を改善するには、ユーザー行動や施策の効果を正確に把握し、適切な対策を講じるためのツールの活用が重要です。以下に、CV率改善に役立つ主要なツールをご紹介します。

GA4

Google Analytics 4(GA4)は、ウェブサイトやアプリのパフォーマンスを詳細に追跡できる無料の分析ツールです。ユーザーの流入経路やサイト内の行動パターンを把握し、どのページが離脱率を高めているか、どの施策がCVに結びついているかを確認できます。特にイベントベースのトラッキング機能を活用すると、CVに至るまでのユーザーアクションを細かく分析できるため、改善ポイントを特定するのに役立ちます。
また、カスタムレポートを作成することで、自社の目標に合わせた指標を追跡しやすくなります。たとえば、資料請求ボタンのクリック率やフォーム完了率を測定し、効果的な施策を判断できます。

行動分析ツール

ユーザーの行動を視覚的に把握できるツールは、改善ポイントを見つける際に大変有効です。行動分析ツールを使うと、以下のようなデータを収集できます

  • ヒートマップ:どの部分がクリックされているか、注目を集めているかを視覚化
  • セッションリプレイ:実際のユーザーの行動を録画し、離脱ポイントや迷いを分析
  • フィードバック機能:ユーザーがサイトに対して抱える不満や改善点を直接取得

これにより、ユーザーがどこを閲覧し興味を持っているのかや、どこで離脱しているかを理解しやすくなり、具体的な改善策を立案する手助けとなります。

ツールによっては、EFO(入力フォーム最適化)の機能も備わっているので、CV率改善を進めるのにもってこいです。

深いユーザー行動の分析によって Webサイトの課題が明確に-mouseflow

ABテストツール

ABテストを実施することで、どのデザインやコンテンツがより高いCV率を実現するかを検証できます。代表的なツールには、やGoogle Optimize(2023年サービス終了)に代わる代替ツールがあります。これらを活用して、次のような改善が可能です。

  • CTAボタンの色や配置を変更してクリック率を比較
  • ランディングページのヘッドラインや画像を変更して効果を測定

ABテストを繰り返し実施することで、データに基づいた最適化を行い、CV率を段階的に向上させることが可能です。特に、テスト結果の統計的な有意性を確認することで、データに基づくより信頼性の判断をすることができます。

【2024年】無料で始められるABテストツール5選!選び方も紹介

現状を把握しCV率の改善を進めよう

CV率を上げることは、サイトの成果を最大化するために欠かせないステップです。現状を正確に把握し、課題を特定することで、効率的な改善が可能になります。

ツールを活用すれば、データ分析やABテスト、競合分析を効率よく行えるため、短期間で効果を実感できるでしょう。小さな改善を積み重ねて、目標達成に近づきましょう!

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